何のために評価するのかを忘れないで
こんばんは、peridotです。
今回は前回書ききれなかった【評価】について私の考えを書いてみたいと思います。
私たちリハビリの仕事は【評価】に始まり【評価】に終わる、と私が学んだ学校の先生もよく語っていました。
なるほど、と初めて聞いたときも思いましたが、仕事をしている今でも間違いない言葉だと思います。
どの分野・領域で仕事をしようと、リハビリの対象者がいる以上【評価】は必ずしなければいけない項目です。
ただし、【何を評価するか】は対象者によって違います。
私たちは学校で色んな評価の種類・方法を学びますよね。
何故でしょう?
何故【評価】が必要なんでしょうか。
それは繰り返し大事なことだと伝えている【対象者を知る】事に繋がるからです。
さらに評価方法として確立された手技・手法を使うことで【より客観的な視点】で対象者の事を知ることが出来ます。
実習では評価方法を実践することももちろん重要な事ですが、【評価した結果】から分かる事・読み取れる事が何かを考えていく事が大事ですよね。
そこでは前回ノートの記事で書いた【掘り下げていく】【考察する】事が活かされてきます。
【評価】をして、その結果を【考察】して私たちは【目標】を立てていきますよね。
言葉ではとても簡単に見えますよね。
でも実際に実習していると、簡単そうに見える【目標】が中々見付けられないんです。
それは何故か。
今回の本題はここです。
難しく感じるかもしれませんが、【評価】ではなく、【評価する事】に集中してませんか? と言うことです。
繰り返しですが、対象者を知る上で【評価】は大事なことです。
でも大事だからこそ【評価する事】、あるいは【その結果】にばかり目を向けてしまうと対象者が見えなくなってしまいます。
私の勤務先である老健を元にお話ししますが、ウチの老健では評価をするためのちゃんとした検査道具という物がありません(笑)
それでも学生さんはROM・MMT・感覚・HDS-R・FIM等々は行えるので、必要と判断した物は実際にやってもらって、結果を出してもらってます。
急性期・回復期とかの病院で評価する項目と比べれば明らかに少ない項目数ですが、それでも【評価】をした後は 何でそこに行った!? と言いたくなる(実際聞きます)【目標】を出してきます。
大体1回目は必ず突っ込んでます(笑)
そんな【目標】に行き着く理由が先ほど書いた【評価する事】【その結果】にばかり目が向いているから、なんです。
【評価】をすると、大体結果は数字で出てきますよね。
これが意外とくせ者で、数字で出てくるとその数字ばっかり追いかけてしまうんです。
対象者自身の事は抜きにして、可動域がこれぐらいあって・ここの筋力がこうで・認知面はああで・FIMではここが低いから……って言う数字だけを基準にして勝手にその人の目標を作っちゃうんですよね。
その結果、何でそこに行った!? と言う突っ込みがバイザーから出てくるわけです。
私たちが【評価】しているのはリハビリの【対象者】ですよね。
出てきた数字はあくまで数字でしかないんです。
対象者の身体機能面・認知機能面・ADL状況を客観的に見るために出した数字でしかなくて、【対象者】はその出てきた数字だけで成り立っているわけではないですよね。
他にも年齢・性別はもちろん、どんな性格でどんな仕事をしていてどんな家庭で生活してきたのか…等々、その人しか持ち得ないその人だけの【情報(生活歴・バックヤード)】が加わってようやく【対象者】が見えてくるんです。
そこを加味しないと、【対象者】によって最善の【目標】が何なのか考えられないですよね。
で、そういう【情報】って面談・面接って形で聞き取りしても中々しっかり聞き出す事は難しいです。
と言うことで、ここで大事になってくるのが【コミュニケーション】ですよね!
些細な会話の中で分かる事って本当に多いです。
意外な職歴とか、趣味・嗜好が分かるだけじゃなくて、その人の性格なんかも感じることが出来ます。さらには認知機能面に関連した内容が聞ける事もあるので、こうした【情報】はこれまた【気付き】としてデイリーあるいはケースノートに書いていけばいいんです。
どうですか?
色んな事が繋がってきましたね。
何個か前の記事で次は評価(デイリーノート・ケースノート)についてと書いてたと思うんですが、私が一纏めにしていた理由が少しでも伝わったでしょうか。
何度でも言いますが、【評価】は対象者を知る上で大事な手段です。
でも、【評価する事】や【その結果】に囚われないようにして下さい。
私たちは【対象者を知る】ために【評価】をしているんです。
余談ですが、ここまで何様な感じで偉そうに書いてますが、当然私も【評価する事】と【その結果】に固執してしまった一人です(笑)
でも実習やってる当時は全くそのことに気付けませんでした。
実習先もバイザーも二度と行きたくないし会いたくないぐらいトラウマですが、その時担当させて頂いた対象者様達には 未熟な学生である自分の相手をして頂いたのに、自分は対象者様の事を何一つ見てなかったんだなぁ と今でも申し訳ない気持ちになります。
それも経験と言えばそこまでですけど、対象者様にとっては貴重な時間の一部を割いてもらっていたわけですから、学生と言えど何か出来ることがあったんじゃないかなって思うんです。
実習って大変ですけど、大変な実習に来てるからこそただ過ぎるのを待つんじゃなくて、何でもいいから得られる物が1つでもあれば良いと思うんです。
そのためには実習に行く前に色んな情報・心構えを持っていた方が良いんじゃないかと私は思います。
このブログがその参考・助けになればいいなと思います。
えー、長くなりましたが、今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
【評価】については書けたので、次は【目標】について書いてみたいと思います。