老健OTの徒然日記

介護老人保健施設で働く作業療法士(OT)が感じたこと考えたことをツラツラと書いてます

何でコミュニケーションが必要なのか考える

皆さんこんばんは、peridotです。

今回は【コミュニケーション】についてツラツラと書いていこうと思います。

 

私の職場にも年間に何人かリハビリの実習生がやって来ます。

1週間の見学実習から3週間程度の評価実習、7~8週間程度の長期実習と種類は様々で、OTだけじゃなくPTの学生さんもやって来ます。

私も学生の頃に散々言われましたし、来る学生さんにも言ってしまのが「コミュニケーション取ろうね」、です。

 

今から私は何様ってくらい上から目線で講釈たれる訳ですが、私、学生の頃は人見知りが酷すぎてコミュニケーションが全くとれない学生でした(笑)

指導者であるバイザーの先生とすら上手く話ができず、散々ボロカスに言われた実習先も、終いには適応障害起こしてしまうレベルでボロボロになった実習先もありました。

 

まぁそんなダメダメな実習生やって来たからこそ思うコミュニケーションの必要性を少し話していきたいと思います。

 

まず、コミュニケーションって何か、です。

辞書には“社会生活を営む人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うこと”と書かれてます。

まぁその通りなんですけど、そこからさらに皆さん色々付け加えてると思うんですよね。なのでコミュニケーションって何?って聞くと、結構色んな意見が出てくると思うんです。

 

色んな考え方がある中で私が思うコミュニケーションは、前の【挨拶】の所でもちらっと出したんですが、関係性を築くための物なんです。

利用者様との関係、ご家族との関係、バイザー・職員との関係等、それぞれとの関係性を築くために必要な手段が【コミュニケーション】だと思います。

 

学生にとって大事なのは対象者(利用者様)とバイザーですよね。

特に利用者様との関係をしっかり作っていかないといけないはずなので、やっぱり利用者様とのコミュニケーションは外せません。

 

でも利用者様相手にやろうって気持ちはあっても上手くいかないのがコミュニケーションです。

 

  学生:今日は良い天気ですね。

利用者様:そうだね。

  学生:……今日の体調はどうですか?

利用者様:うん、悪くないよ。

  学生:そうなんですね。………昨夜はよく眠れましたか?

利用者様:あんまり眠れんね。

  学生:夜中に目が覚めたんですか?

利用者様:まぁトイレに行ったりするからね。

  学生:そうなんですね。……今日の朝ご飯は何でした?

 

↑と言う感じの会話がよく聞かれます。

私もこんな感じか、もっと酷いくらいでした(笑)

これって会話が成立しているように見えるかもしれませんけど、実際はコミュニケーション取れてるとは言い辛いんですよね。

 

なんだこの単調で一方通行な感じ(笑)って今なら思います。

でも学生さんってこうなりやすいです。

それがなぜかというと、ただ話をしようとするからなんです。

とにかく声をかけようとした結果、尋問のようなまとまりのない質問攻めが始まってしまうんです。

そうなるとバイザーとしては「この学生さんコミュニケーション下手だなぁ」と言う感想を持ってしまいます。

 

努力しているのはすごく見ていて分かるんですけど、リハビリにおけるコミュニケーションって相手との関係性を築くためのものなので、そこを意識できるようになると声かけの仕方が変わってくると思います。

 

関係性を築くって繰り返し言ってますが、自分と相手の間に何らかの関係を作って行くという事なので、少しでも相手を知ろうとしないと関係は作れないですよね。

 

自分が友達とか先輩とか新しく出会った人と仲良くなっていく時って、すごく話をしてないですか?

名前とか年齢、誕生日とか住んでる場所、どこの学校だったか何の部活だったかとかとか。

そういう情報を集めて相手の事を知っていって安心することで友達とか仲の良い先輩とかただのクラスメイトとかって形にカテゴライズしてると思うんです。

 

これは利用者様に対しても同じなんです。

相手の事を知って、自分の事も知ってもらう事でお互いの存在が植え付けられていって、それが関係を築いていくって事なんです。これを踏まえてさっきの会話を繰り返すと↓こんな感じになるかもしれません。

 

  学生:今日は良い天気ですね。

利用者様:そうだね。

  学生:○○さんは晴れの日が好きですか? 雨とか曇りが好きですか?

利用者様:そりゃやっぱり晴れてる方がいいね。

  学生:そうですよね、私も晴れてる方が気持ち良くて好きです。

     でも晴ればっかり続いてもイヤですね。

利用者様:そうだね、たまには雨もないと畑が枯れちゃうね。

 

↑どうでしょう。ちなみこれ、両方とも実際にあった会話です(笑)

天気と言う一つの話題だけで話が続いてますよね。

決して一方通行ではないこの会話をコミュニケーションと呼ぶと思います。

 

さら掘り下げると、こうした反応の有り無しや返ってくる返事の内容からも読み取れる情報と言うのがあります。そこに気付ければそれだけで実習には不可欠の【評価】が出来ていくんです。

特に老健は高齢の方が多く、認知症の方も多いです。

そのため急性期・回復期の病院で行うような機能評価なんて意味を成さない事が多いです。だからこそ対象者の行動・言動から読み取る情報がいかに重要なのか、気付いてもらえると嬉しいです。

 

今回の最後に、これだけしたり顔で書いてますが、人見知りの酷かった私が何とかコミュニケーションが取れるようになっていったのは就職してからです。特に認知症の方とのコミュニケーションに慣れたのは老健で働き始めて2年は必要でした。

 

それぐらい苦手な人にとってコミュニケーションを取る事ってすごく大きな課題なんですけど、その課題の大きさに気付くこと、ぶつかった壁の分厚さ高さに気付くこと事も実習の大事なの要素だと思います。

 

と言う訳で、次回のテーマは【実習】について語っていこうかと思います。

それでは最後まで読んで頂きありがとうございました。